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快晴の卒業式

2008年7月に不安と期待を抱えながらウォートンの扉を開いてからほぼ2年。MBA受験の準備を始めてからは4年半。ついに卒業を迎えた。

Locust Walkを賑やかに行進して

卒業式8

大勢の家族や友人が待ち構えるFranklin Fieldへ

卒業式11

快晴のフィールド

卒業式3

WGA PresidentのShockyouによる堂々のスピーチ

卒業式10

一人一人、Anjaniから名前を呼ばれて壇上へ

卒業式1

この2年の間、自分だけではなく、悠梧も大きく成長し、そして慧梧が生まれた

卒業式2

珈琲妻には感謝しつくせない
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2010/05/18(火) | MBA | トラックバック(0) | コメント(10)

Final Friday(2)

Final Fridayの最後には、Nakahara教授がスピーチをしてくれた。彼は、ウォートンの入学式にあたるCoonvocationでも教授代表としてMBAの2年間で得るべき3つのもの(「フレームワーク」、「自信」、「レピュテーション」)を示してくれた(詳しくはここ)。

「フレームワーク」と「自信」を得た実感は十分にある。多くの学生もそうだと思う。一方で、「レピュテーション」は、彼がそれを提示したときから想定していたとおり、とても難しい課題だった。学内での知名度という単純な話ではない(もちろんそれも一要素ではあるけど)。自分は人に何をもって知られているか、それはどの程度明確に知られているか、そしてそれはどの程度価値のあるものなのか。

Nakahara教授はConvocationで、MBAではやることを絞ってそれをめちゃくちゃ上手くやれと語った。それは正しいアドバイスだった。これだけタレントとやる気に溢れた大集団においてレピュテーションを築くには、選択と集中が確かに必要条件だった。

この2年間を振り返ってこの難題をクリアできたと自信をもっていえる学生は決して多くないことはNakahara教授も当然に分かっているのだろう。MBAはあくまでこの先の人生の助走期間でしかないからね、本当の勝負はこれからさ、と言い添えてくれた。その一言に少し救われ、でもとても悔しい思いが残った。

この先の人生で大切にしたい教訓を、Nakahara教授の2年越しのスピーチからいただいた。
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2010/05/18(火) | MBA | トラックバック(0) | コメント(0)

Final Friday(1)

Final Fridayは卒業直前の金曜日に催される、ウォートンの比較的新しい恒例行事。一年時を共に過ごしたコホート単位でまずは集まり、思い出を語ったり、教授から最後のレクチャーを受けたり。

final friday

我がコホートには、マーケティングの教授陣のヘッドでもある、Raju教授が来てくれた。彼がくれたこれからの人生のアドバイス。

Raju.jpg

中でも心に残ったのは、このふたつ。

• Say one good thing about a person each day – to that person.


毎日、その人についていいことを口にしよう。しかもそれを本人に直接伝えよう。いいことを言われればその人の一日がそれだけで素晴らしいものになる。それを毎日繰り返す影響は計り知れない。その人にとっても、結果として、自分にとっても。

• Think of life as a marathon – not a sprint. Each of you will work for another 40 years. How do you win?


人生は短距離走ではなくマラソン。この先40年ばかり働くわけでしょ。そこでどう勝負するか。まずは健康。勝負の場に身をおけなきゃ話にならない。そして変化を受け入れること。過去40年の変化を考えれば、この先40年の変化の程度は想像できるはず。そして、自分より優れた人間を進んで部下にすること。マーケティング部門で新しい人を採用するかどうかにあたっては、教授陣に対して、その人が自分より優れていると思うかどうかで判断をしろと常々いっている。人生のマラソンでいい勝負をするには、自分より優れた人に働いてもらうことが何よりも必要。

彼がマーケティング部門を束ねている理由がちょっと分かった気がした。

その後は会場を大学内の劇場に移してのセレモニー。この盛り上がり。このエネルギー。

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2010/05/17(月) | MBA | トラックバック(0) | コメント(0)

卒業確定

たった今オンラインで確認したら、最終学期の単位が全部取れていた。これで卒業が正式に決定。といいつつ、卒業式は35時間後のことで、当たり前のことではあるのだけれど。


"You can only be a Wharton MBA candidate for two years, but you will be a Wharton MBA for life."

-Alex Edmans
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2010/05/15(土) | MBA | トラックバック(0) | コメント(2)

Final Pub

毎週木曜日にキャンパス内で催されるパブも今回が最終回。これまでほとんど参加していなかったが、最後ということで顔を出す。

今回は一年生はおらず二年生のみが対象のパブ。にもかかわらず、まだ一度も話したことがない学生が少なくないことに改めて驚く。何人かの友人がまさに同じように感じていたようで、でもそれがウォートンのリソースの大きさだよね、という話に。HBSと並んでビジネススクールでは最大規模の学校だけに、2年間では到底出会いきれない学生、習い尽くせない授業、経験し尽くせない活動に溢れている。だからこそ自分の選択が重要になる。自分は正しい選択をしたのだろうか。そんなことを今更ながら考えさせられる。

帰り道、ブラジル人の友人とたまたま一緒に。これまで頻繁に挨拶は交わしていたもののまだ深く話したことはなかった。ウォートンでの経験、これからのキャリアのこと、それぞれの母国への思いなどを語る。何だか別れがたく、ちょっと遠回りながらうちまで一緒に行くよという。じゃあうちの子供に会いにおいでよ、と我が家に招き入れる。

azor.jpg

Azor1.jpg

自分は本当にここでできることをやり尽くしたのだろうか。
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2010/05/15(土) | MBA | トラックバック(0) | コメント(0)

経験を伝える、経験から学ぶ、という文化

振り返ってみるに、ウォートンなりMBAの面白いところは、学校にいつも誰かしら面白いゲストスピーカーがやってきてその経験や知見を語ってくれること。授業や学校全体の公式行事として招聘したり、学生がクラブ活動などとして企画したり。コカコーラのCEOインドの世界的な宗教家から地元のちょっとした起業家まで、実に幅広いバックグランドの人達がひっきりなりに学校を訪れる。一日に複数の講演が重なることもしばしば。珈琲男も藤本隆宏教授夏野剛氏をウォートンに招聘して知見を語っていただく活動に関りもした。

学生もこういう機会をとても大切にしており、著名なゲストだとウォートンで最大の300人超収容のホールが講演開始のずっと前に満席御礼になる。珈琲男はこういう機会にかなりの頻度で参加しているが、満席だったり都合がつかなかったりで、いくつかのイベントを逃した。カルロス・ゴーンだったり、最近ではマジック・ジョンソン(懐かしい!)だったり。あ、あとそういえばしばらく前にテクノロジークラブがMCハマー(さらに懐しい!)を呼んでたな。

経験者の話を聞く機会というのは地域社会にも溢れている。例えばしばらく前、自宅にこんなチラシが放り込まれていた。

著名人講演(Kimmel Center)

著名人がフィラデルフィアはキンメル・センター(フィラデルフィア交響楽団の本拠地)で講演しますよ、という宣伝。一講演あたり$400前後と値は張るが、「World is Flat」の著者であるトーマス・フリードマン、デ・クラーク元南アフリカ大統領、などなど、蒼々たるメンバー。アメリカでは講演ビジネスが随分と発達している、ともいえそうだ(何しろ講演者専門のマネジメント会社も存在する)。

ネット上の講演でいえば、最近有名なのはTEDだろう。上のチラシ左下にも出ている作家、エリザベス・ギルバートの創造性についての講演は、珈琲男のお気に入りのひとつ。日本語字幕付きでも見られるし、これ、必見。



語り手となる機会は、何も著名人に限らない。例えば、悠梧が通う学校では、ペンシルバニア大学の付属の学校で親が国際色豊かで研究者が多い、ということもあり、生徒の親が時折教室を訪れては子供たちにいろんな話をしてくれる。自らが研究するエジプトの話だったり、出身国の文化だったり。珈琲妻も3度ほど教室で日本の文化を紹介してくれた(珈琲男も助手として協力)。

このような、経験者の語りから何かを学ぶ、という文化がもっと日本にあったらいいのに、と思う。学校では生徒が、企業では社員が、地域社会では一般市民が、それぞれ語り手から何かを学ぶ、という文化。

思うに、語り手、聞き手にそれぞれ必要なスキルや態度があると思う。

語り手についていえば、経験を結晶化して意味あることを伝えること、守秘義務の範囲を常識的に判断すること、そもそも分かりやすくかつ面白く話すスキルを身につけること、などなど。

意外に聞き手側にも大切なことが多いと思う。

問題意識をもって聞くこと、細かいことで揚げ足をとらないこと、最低限の礼儀をもちつつも必要以上に相手に対してかしこまることなく、一人の同じ人間として為してきた経験を感じようとすること、一つ一つの機会を大切にして人から何かを学ぼうとすること、話をしに来てくれたことに対して感謝すること、他の参加者のためになるくらいの質の高い質問を簡潔にすること、など。

こうした文化の形成に、例えばTEDxTokyoなんかが貢献してくれたなら、と思う。
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2010/05/13(木) | MBA | トラックバック(0) | コメント(0)

MBA留学の7つ道具

そろそろClass of 2012の方々も現地入りの準備を本格化させているころだと思う。2年間を振り返ってこんなのが便利だったというものを参考までに。まあ7つじゃないけど語呂がよかったということで。


1. 日本から持ち込むべきモノ

参考書
MBA開始直後に履修するもの(ウォートンでいえば例えば統計学など)については、日本語の参考書があれば安心できる。ちなみに以前紹介したけど、統計学の初歩としてはこれがお勧め。

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(2006/09/29)
小島 寛之

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ただし、すぐに履修しないものは必ずしも日本から買って持ってこなくてもいいと思う。読んでる暇がないし実際こっちの教科書はよくできてるから、先輩から本の評判を聞いてからで十分かと。留学開始後に日本のアマゾンなどで買えば問題なし。といいつつ、日本語での参考書はいろいろ買ったから、ウォートンの方で興味のある方は個別に連絡下さい。

辞書
電子辞書は、実際には思っているほどは使う暇がないけど、なんだかんだと重宝するもの。それから意外に見落とすのが普通の辞書。試験によっては電子辞書はNGとされる場合もある。小さめのが一冊あると便利。

外付HDD
バックアップ用に。日本のモノが優れているという意味では全くなく、バックアップのやり方くらいは日本にいるときから慣れておいたほうがいい、という意味で。何事も超ハイペースで進むMBAで愛機が飛んだときの影響はものすごく大きい。Macなら、Carbon Copy ClonerでHDDを丸ごとバックアップしておくのが一番単純でいいと思う。いざとなれば外付HDDからブートすればいいし。

AppleCare
これはMacユーザについて。ちょっと高い買い物だけど、ちょっとした不具合にいつでも電話で対応してもらえる安心感は大きい。珈琲男は日本の窓口にスカイプ電話して事なきを得ることも何度かあった。ちなみにAppleCareの電話サポートは高いだけあってサービス品質が本当に高い。プレミアムセグメントのカスタマーサービスとして多くの企業の参考になると思う。

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バックパック
現地では両手が使えるバックパックがやっぱり便利。よほどバックパックが嫌いじゃなければ基本的に毎日使うことになるはず。でも、どうも現地で売ってるバックパックはイマイチ(な気がする)。


2. 現地で調達すべきモノ

プリンタ(複合機)
スキャナ、コピー機能はものすごく重宝する。

ポータブルカーナビ
ある程度現地でレンタカーやカーシェアリングを予定する見込みなら早めに買うのを勧めたい。機種毎に動作の癖があるから毎回違う機種をレンタルするのはストレスになる。一台もっておけばどんな車に乗り込んでも同じように使えてとても便利。行き先も事前に登録しておけるし。欧州に出かける予定があれば欧州マップが入っているものを購入しておくのも一考の価値あり。INSEADへの交換留学を前にして購入したけど、留学開始直後に買っておけばよかったというのが今からの振り返り。

椅子
買うのは当たり前じゃん、なんだけど、できればものすごくいい椅子を買いたいところ。毎日の予習や試験勉強にと、何時間も座り続けるから腰を痛める。珈琲男の場合、家具付きだったこともあり、留学開始直後は普通のダイニングチェアを使って勉強していたところ、腰が猛烈に痛くなってきたため、急遽アマゾンでHerman MillerのAeronというモデルを購入した。決して安くはなかったけど、これはこの2年の買い物の中でも特に価値があったと思ってる。2年間を通じての相棒、という感じ。

ちなみに現地調達として挙げた3つは、全部アマゾンなどの通販で購入可能。しかしアマゾンはこの2年間使いまくったな
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2010/05/04(火) | MBA | トラックバック(0) | コメント(0)

後輩と卒業後の自分へのメッセージ

先日、ウォートンの一年生の方々が我々二年生の送別会を開いてくれた。家族も含めての温かな時間。

この一年近く、一年生の皆さんとは本当にいいお付き合いをさせてもらった。会長を務めさせてもらったジャパンクラブの運営ではいろいろと助けてもらった。たまたまウォートンでは日本人学生の先輩・後輩という形式ではあったものの、むしろ同じ時・同じ場所で過ごした「同士」「戦友」というのが素直な気持ち。

いろいろお世話になった感謝の気持ちを込めて、ウォートンでの残りの最後の一年をよりよいものにしてもらうための、ごく個人的な応援の言葉を、送別会のあとでメールさせてもらった。全て自分ができたことというより、できなかったことに対する反省も含めて、この2年の経験を振り返って選んだメッセージ。

● やるかどうか一瞬でも迷うことがあったらやるという判断をして大筋間違いない。やって後悔するよりやらずに後悔することのほうが多いのがウォートンMBA。そしてやるかどうかの判断にほとんど時間が与えられないのがウォートンMBA。歴代の卒業生の誰に聞いても何かをやって後悔したとはいわないはず。逆に、やらずに多少の後悔の念の抱えるのが大多数(だと思う)。最後の一年間、何かをやれる機会はまだまだ沢山ある。

● 最後に残るのはシンプルな評判。いい奴、できる奴、頼りになる奴。細かいことなど時間が経ったらみんな忘れる。でも、ざくっとした評判はきっと残る。人生の資産にもなれば負債にもなる。一方で、どんな評判を築けるかはそんなにコントロールできるものじゃない。その時その時で最良の判断をすること、人を大切にすること、嘘をつかないこと、自分が得意なことをすること、不得意なことは回りにさくっと頼ること。あとは勝手に評判ができるに任せるしかない。

● 人との新しい出会い、これまでの出会いのメンテナンスに貪欲に。日本人かどうかを問わず、卒業が近づけば800人が最初のプレタームに戻ったかのような動きをし出すもの。だったらそれを待たず、最後の一年を通じて出会いを大切にしたほうがずっといい。広くか深くかはお好み次第。私はキリスト教徒でもないけど、大使館に勤めていたときに仲のよかった人から教えてもらった聖書の言葉をいつも大切にしてます。"Do not neglect to show hospitality to strangers, for by this, some have entertained angels unawares."

● 何でもいいからメッセージを外に出してみるといいことが起きる、ことが少なくない。ブログありtwitterありの、広く自分を発信するコストが劇的に下がっているご時世。提灯を外に出しておけばいいお客さんが入ってきてくれるし、提灯をもって他の店に入ることもできる。提灯がちゃんとしてれば変なお客は実はあんまり入ってこない。


そのエッセンスは、もちろん卒業後の自分自身に向けたメッセージでもある。

一ヶ月後、自分はもう日本にいるはず。いろんなことを忘れるのは本当に簡単だ。大切なことを忘れない努力をしたい。ブログを続けてきた動機にはそんな気持ちが含まれているけど、卒業を間近に控え、留学での学びや気づきを心のうちに長く留める努力をしたいと強く思う。

送別会(変換後)
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2010/04/28(水) | MBA | トラックバック(0) | コメント(2)

Japan Trek 2010

Class of 2011の日本人&ローダー生が作り上げてくれたJapan Trek 2010の寄稿記事が、Wharton Journalに掲載されたようだ。今年は昨年を20人も上回る171名の超大規模トレック。オーガナイザーの皆様、改めてどうもお疲れさまでした。

"Aside from the delicious food and distinct cultural heritage of the country, having such a large Trek of 171 participants gave us the perfect opportunity to make new lasting friendships."

こういってもらえるのが嬉しいね。
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2010/04/12(月) | MBA | トラックバック(0) | コメント(0)

Ask Alex ~MBA2年生は卒業までにあと何をすべきか~

今日は月曜日。週のはじめからちょっと嬉しいことが。

ウォートンの学校新聞「Wharton Journal」に、「Ask Alex(アレックスに聞いてみよう)」という昨秋から新設された人気コーナーがある。

Alexというのは、ウォートンでファイナンス理論を教えるAlex Edmans。ファイナンス経験者向けの授業しか受け持っていないから珈琲男は彼に習うことはなかったが、学生からの評判はすこぶるいい。また、アカデミズムの世界でも随分と評価が高いようだ。なにせ、彼はまだ20代。はい、20代。彼にファイナンス理論を習う少なからぬウォートン生が彼より年上なわけだ。

その若さ故、学校内の学生主催のありとあらゆるイベントに出現してはみんなを湧かせてくれる。最近では、Philliy Fight Nightにボクサーとしてリングに上がってしまった。

alex.jpg

その彼に、いろんな質問をぶつけて回答してもらおう、というのが「Ask Alex」。就職関連のまじめな質問あり(彼はPh.Dの前はモルガンスタンレーで働いている)、軽いノリの質問あり。どんな質問でも上手い回答するなあと思っていつも楽しみにしてたのがこのコーナー。

一度質問してみたいな、と思ってたいたところ、卒業を目前に控えて、こんな質問が思い浮かんだ。

Putting yourself in the shoes of second year MBA student who are about to graduate (yes, us!), what would be the single thing you would do in the remaining time at business school?


卒業を間近に控えたMBAの2年生としては、残りの時間でなにをすべき?という質問。

編集局にメールしてみたら、それがそのまま採用された。Alexからの回答はこれ。ちょっと長いけど全部引用する(強調は筆者による)。

It's very hard for me to put myself in the shoes of a second-year MBA student, since I don't really associate with MBAs and have no idea what you guys get up to. But I'll give it a go. Being a second year, you won't have heard Professor Brian Bushee's excellent convocation speech to the class of 2011. One of his points was that there's no single Wharton experience, so I'll use this as an excuse to write about a couple of things rather than just one.

First, cherish your classmates. You'll never, ever again be surrounded by people with as diverse and impressive talents as those around you. There's still several show-type events left where you can enjoy their talents - the Wharton International Cultural Show, Fashion Show, Battle of the Bands, Comedy Club, Wharton Relays, Whartones Spring Concert, the Soccer 1st vs 2nd Year Challenge. Go to every one of them. I know most of them cost money, and you've probably been to many shows already this semester and might think you're at your limit point, but you just won't find such events after Wharton. You might think that some of these events aren't to your taste, but you'll be pleasantly surprised. I'm not normally a fan of visual arts, but saw highlights of WICS and Dance Studio during Wharton Live in last year's Welcome Weekend and was impressed - the Indonesian hand dance in particular was incredible.

Also, the whole ethos of Wharton - trying out new things and meeting new people - is just as true now as it was in pre-term 20 months ago. Perhaps it rings even truer now, since you only have six weeks left for this exploration. It might seem ridiculous to suggest meeting new people at this late stage, but there are several of your classmates who I've just come to know over the past month or two, who I've grown to really like and who I very much hope to keep in touch with after they graduate. You'll all have your established groups of friends by now, but you'll likely be seeing them after Wharton anyway. When I think back to my college days, I most miss my more "peripheral" friends - those whose company I always enjoyed when they were around, but who I wasn't so close to that we kept in touch when I jumped over the Atlantic. In terms of new activities, my TA Justin Serafini took some of you shooting for the first time a couple of weeks ago; for a far more useful new activity, huge props to those who participated in the cheesesteak-eating boat race during last weekend's hockey competition against Tuck and Yale. That's a skill that will see you going places in your careers.

And these are also your last six weeks to learn as much as you can from world-renowned professors. Classes may no longer seem important for those of you who've already secured jobs - and even less so for those still searching. But the skills you learn here will hopefully be of use for the rest of your life. Get as much as you can out of your professors - if you think there's something useful you can learn from them that's not in the syllabus, meet with them outside class. If your current classes aren't what you expected, there's still time to audit a class that might be more relevant.

Everything I've said so far is about how you can get the most out of Wharton. But, you can also think about how you can give back to Wharton in this remaining time. I often say to the first years that the second years are their greatest resource. You can mentor others new to a career, subject or hobby -Jenn Chu is giving up several hours to teach this year's Fashion Show models how not to look awkward on stage - I still have a long, long way to go … Those of you who were club officers might be looking forward to a well-deserved retirement, but your successors will really benefit you showing them the ropes. Similarly, just going to the events I mentioned earlier is a way of "giving back" and supporting your classmates who've put hours into preparing for them.


ひとつひとつが、今卒業を控えた自分には身に染みる。

珈琲男の立場でもうひとつだけ付け加えると、これまでの2年間を支えてくれた家族に感謝する、かな。
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2010/04/05(月) | MBA | トラックバック(0) | コメント(0)

留学ならではの贅沢な出会い

冨手さん

このつぶやきにぴくっと反応して、MITのメディアラボに所属するというktomiteさんにつぶやき返しをしてみた。

つぶやき

ランチを一緒に、ということになり、NHKからペン大に研究にこられているOさんに急遽メールしたところ、即電話があって参加したい、とのこと。ちなみにOさんはNHKスペシャル「Google革命の衝撃」を制作されたディレクター

ktomieさんは会ってもう5分後にはご自分の研究について熱く語って下さった。

メディアラボで関わったという、自らの子供を生まれたときから部屋中に設置したカメラで撮影し続け、その膨大なデータから子供の言語習得過程を理解しようとする教授のプロジェクトの話から始まって、ご自身がこれまで研究されてきたという、画像検索技術、現実の環境に付加情報を与える拡張現実(Augmented Reality)、それからCGなどについて、延々と語り続けて続けて下さった。

ちなみにこの教授は、最終的には、人間の学習過程を理解することで、それをロボットに知性を与えることに応用したいのだそうだ。それを聞いてちょっとしびれてしまった。いやー、MITメディアラボってホントに面白いところなんだろうね。

残念ながら日本人で所属される方がここ数年かなり減ってきているようで、ここでも日本の存在感の薄さがでてきているようだ。一方で、画像関連の学会にはマニアックなものも含めてサムソン関係者がどこにでも顔を出しているそうな。恐るべし、サムソン。

しかし留学中にはいろんな面白い人に会えるのが何よりの贅沢。

ボストンではMITやハーバードなどの日本人研究者の交流が盛んだというし、同様の交流会はフィラデルフィアにもある。わざわざ海外にまで出て何かを学ぼうという人は能力の面でも意識の面でも高い人が多いのは間違いなく、またネットワーク効果もあって彼らはある地理的な場所に局所的に集まる傾向があるから、そこに身を置けばそういう人達と出会える可能性がとても高くなる。海外での生活に苦労する日本人同士、という感覚が、さらにその出会いを後押ししてくれる。

MBA留学のメインの目的を何におくかにもよるけど、もしいろんな分野の人達と交流することで自分の知見を大きく広げたい、というようなことを重要視するのなら、ビジネススクール専門校よりも総合大学(それも大きな総合大学)、そして、田舎よりも大きな都市を選ぶのがベターな選択だと思う。

その点フィラデルフィアは、確かにボストンに比べれば学生や研究者のコミュニティとしての規模は小さいながらも、実は面白い日本人がかなり集まる場所だといえる。これがニューヨークくらい大きな都市になると、どうもコミュニティとしての一体感みたいなものが不足してくるのでは、というのが勝手な想像。京都で学生生活を送った珈琲男としては、やっぱりあの街のサイズが人の交流には絶妙だと思っている。フィラデルフィアの規模感って、京都のそれにとても近いと思うんだよね。

それから、以前ブログでも人との出会いに対する心理的な変化や、そもそものネットワーキングの目的ネットワークに対する見方について感じたことを取り上げたけど、やっぱり少しでも気になる人に会いに行くことを惜しんではだめだな、と今回改めて思った。

ちなみにこれは、ktomiteさんが紹介して下さった、MITメディアラボに現在所属中のPh.Dの学生が開発したという技術。小型プロジェクターを首からかけることで、どこにでも映像を投射することでディスプレイを不要にし、いつでもどこでも情報にアクセスしたり、意思決定を助けてくれるものだそうだ。Oさんと一緒に、これはすごいねえと興奮してしまった。



ktomiteさん、Oさん、とても素敵なランチをありがとうございました。
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2010/04/01(木) | MBA | トラックバック(0) | コメント(0)

藤本隆宏教授 on Knowledge@Wharton

先週ウォートンに講演に来ていただいた藤本隆宏教授は、講演の翌朝にKnowledge@Whartonでのインタビューにも出演して下さった。その記事が今日掲載された模様。

Under the Hood of Toyota's Recall: 'A Tremendous Expansion of Complexity'

YouTubeにもインタビューの映像がアップされている。

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2010/03/31(水) | MBA | トラックバック(0) | コメント(0)

油、火種、火打ち石

いよいよ卒業が間近に迫ってきたということもあり、最近この留学で何を学んだのかと自分のなかで思考を巡らしていることにしばしば気付く。いくつも朧気に浮かんでは消えるから、できるだけ書き留めておこうと思う。

まず、自分が組織とか集団のなかで果たす役割について、留学前と後でどんな変化が生じてきたか、について。実際に果たしている役割ということもあるし、どんな役割を自分は果たしたいのかという理想としての役割ということもある。その両方について、どんな変化が留学前後に生じたか。

留学前の自分を冷静に振り返ると、あまり自分からことを起こすということはなかったように思う。

ことを起こすような誰かの動きにうまく乗っかったり、何かの新しいプロジェクトの初期メンバーとしてそれなりに活躍することもあった。でも、まさに自分がことを起こす、ということはそれほどなかったように思う。

ただ、面白そうな芽を見つけること、そこに早くに飛びついて何とか形にすること、いろんな人を巻き込んでその動きを盛り上げることは好きだったし、上手かったようにも思う。

それは、いってみれば、もう燃えているものをもっと燃やすような「油」の役割や、最初の火を消さないための「火種」の役割。何かを燃やすというこれらの役割は、単に何かに燃やされるしかない対象物の役割とは全く違うものだ。場の流れに身を任せるだけの自分ではなかったつもりだ。

でも「油」も「火種」も、最初の火を起こす「火打ち石」の役割とは根本的に違う。

「火種」や「油」は火が起こされていることを前提にしなければなんら意味をなさないのに対して、「火打ち石」はまさに火のないところに火をつける。「火種」や「油」にその役割を与える。

もちろん組織やチームにおける「火打ち石」にももちろんいろんなレベルがある。

ちょっとした議論をしかけて他のメンバーのイマジネーションに火をつけることから、全く新しい大きな取り組みへの最初の一歩を自分が踏み出すことまで、幅は広い。

でも、単にある発想をつぶやくこと、単に何でもいいから取り組みへの第一歩を踏み出すことは、それだけでは「火打ち石」にはならない。大きく長く何かを燃やすことを前提にしていないからだ。「火打ち石」は、一回きり輝く花火とは違うものだ。

留学中、自分が「火打ち石」たりえているかをよく自分に問うていた。いくつかは花火で終わった一方で、いくつかはその後の実際に火をつけられたものもあると思う。それが自分の実際の役割についての変化。

そして、そんな「火打ち石」の役割をもっと果たしたいと思う自分がいる。そう留学を通じて思ったということは、この先も時折思い出したい。
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2010/03/31(水) | MBA | トラックバック(0) | コメント(0)

ウォートンの大先輩による講演会

一昨日の藤本教授の講演会に引き続き、今日は慶応大学教授の夏野 剛氏による講演会。慶大教授というより、NTTドコモで「i-mode」「おサイフケータイ」を立ち上げ、今はニコニコ動画の黒字化に奔走されているあの夏野さん、といったほうがしっくりくるかも知れない。そして、1995年卒業のウォートンの大先輩

ウォートンで講演していただけませんかと直接メールを差し上げたところ、わずか4時間半で「いいですよ。」とのお返事をいただいた。出張先のボストンから日本に戻る途中に久しぶりのフィラデルフィアを訪問して下さることになった。

今回お話いただいたのは、モバイル業界のイノベーションについて。

夏野さん講演会1

なぜ日本でi-modeをはじめとしたモバイルイノベーションが起こったのか?オペレーター(通信キャリア)の役割はどうなっていくのか?今後のイノベーションの担い手は?新興国で注目される動きは?

そんな話を自身の経験をもとにテンポよく話して下さった。藤本教授の講演でも同じことを感じたけど、やっぱり何かを自分自身でやり抜いた人には自説の展開に説得力がある。自分が何を話しているかよく分かっているから、変な力みや取り繕いがなく、話のすぐ後ろ側に信念や情熱がありありと見える。

夏野さん講演会2

特に印象に残ったポイント。

● 日本でi-modeというイノベーションが起こったのは、標準化にこだわらなかったから。自分は標準化などに興味はなかった。欧州でモバイルイノベーションが起こらなかったのは国を超えた標準化に固執したから。標準化は重要だけど、ときとしてイノベーションを阻害する

イノベーションにはリスクテイクとコミットメントが必要。スティーブ・ジョブスは莫大な資金を投入してまずiPhoneを開発し、その後にオペレーターとの交渉を行った。iPhoneという完成された製品があったからこそAT&Tに対する交渉力が生まれた。

● モバイル業界のパワーは、日本ではオペレーター(ドコモなど)に、欧州では端末メーカー(ノキアなど)にあった。現在そのパワーは、先進国においては、インターネット系プレーヤーに移りつつある。グーグルのアンドロイドが広まっているのがその好例。ちなみにアンドロイドはモバイルOS市場の5割を押さえるだろう(会場全体がおおっという反応)。

● ネットワーク側の世代の進化(例えば2G->3G)は、モバイルの世界における真のイノベーションとは無関係。

オペレーターの相対的なパワーの低下は避けられない。クラウド化は端末やネットワークの差異を無意味にするという意味で、ますますオペレーターの力を弱めることになるだろう。それに、レイヤーごとに本来違うメンタリティが必要なところ、旧来の通信屋のメンタリティで上位レイヤー(例えばアプリケーション)のビジネスを展開しようとしているのが問題。ただし、オペレーターの強みはアクセス回線を掌握していること。これをどう生かすかがマネジメント上のまさに鍵。

● 一部新興国ではモバイルペイメントの開発がずいぶんと進んでいる。これは既存の送金インフラが欠如しているために、モバイルペイメントの実現による追加的な効用が先進国に比較して大きいから。

これらの議論は、Q2で履修したロースクールのInternet Lawの授業におけるアクセス回線の競争政策や、Q3のTechnology Strategy(MGMT731)における標準化、イノベーション、それから補完財の議論と合わせて考えるとものすごく面白いテーマ。

それに、オペレーターの上位レイヤーサービスへの進出の戦略的な妥当性や仮に進出するした場合の課題については、シゲルコ教授による戦略の授業の「activity system」や「fit」の概念、それからQ3で習ったばかりの人事戦略のクラスでの学びともがっちり絡む。

ひとつの議論を様々な角度から考えるフレームワーク力がそれなりについてきたことを実感する。

講演後には会場から質問が相次ぎ、それに対して夏野さんも熱く答えて下さった。

夏野さん講演会3

講演会終了後に、何人かの学生から、いやー、夏野さんの講演よかったわ、との感想を聞かせてもらい、主催者としてほっとしたり、こういう日本人の先輩をもって誇らしい気持ちになったり。

その後夏野さんを囲んでの食事会へ。日本人の主催者数名に、モバイル業界やテクノロジーに関心のあるウォートン生、それからペン大の学部生も加わっての約10名。そこでの話の詳細はないしょにするとして(笑)、特に印象に残ったことだけ。

● ビジネスはなんだかんだといっても個人と個人のつながり。あいつのことは信用できる、と思ってもらえるかどうか。自身の経験では、それは中国であろうとブラジルであろうと同じこと。

● ビジネスで必要なのは自信。俺には自信がある。自信だよ、自信。

● 日本企業に足らないのはなによりも多様性。

夏野さんがウォートンで過ごされたのが93年から95年の2年間。私が住むところからわずか徒歩10分くらいのところにお住まいだったそうだ。しかも同じ教授の授業をいくつか受けていたことも判明。15年ほど前のこととはいえ、おそらくウォートンでの日常は今とさほど変わらないものだったのだろう。そこでいろんな刺激をうけ、その後帰国してモバイル業界で活躍された夏野さん。夕食会での夏野さんの言葉の端々から、ああきっと、まさに自分がリアルタイムで経験しているウォートンでのこの学生生活こそが夏野さんの原動力になっているのかな、と勝手に想像してみたり。

ベビーシッターに悠梧の面倒をお願いしているからと、夏野さんと堅く握手を交わして一足先に失礼させてもらった。彼を寝かしつけてから深夜にMacを開くと、食事会を終えてホテルに戻ったと思われる夏野さんがこうつぶやいていた。

夏野さんtwitter2

夏野さんtwitter1
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2010/03/28(日) | MBA | トラックバック(0) | コメント(0)

藤本隆宏 東大教授による講演会

これまでジャパンクラブの有志で準備を進めてきた藤本隆宏教授による講演会は、今日が本番。強気にやや大きめの教室を確保したが、蓋をあけてみればこのとおりの盛況となった。マーケティングが上手くいったようでまずはほっとする。また、トヨタの品質問題がいかに海外で注目されているかを再認識することにもなった。

藤本先生講演

「トヨタのグル(教祖)」という触れ込みで学生には宣伝したが、

Fujimoto-san_Advertisement.jpg

まさにそんな雰囲気たっぷりの藤本教授(笑)。

藤本教授2

講演での藤本教授の議論を私なりにざっとまとめてみる。まずは「ものづくり」といわれる概念論から。

1. 製品 (product)とは設計情報 (design information)を媒体 (media)に転写したものである(紙コップ:コップというデザイン→(転写)→紙という媒体)

2. この考え方にたてば、生産性とは、設計情報を媒体に転写する効率だと見なすことがきる(設計情報の転写がなんら行われていない工程、例えば在庫や部品の移動は、この意味でムダであるといえる)

3. また製品情報は、製品アーキテクチャにより、「モジュラー(組み合わせ)型」または「インテグラル(擦り合わせ)型」、「オープン(業界標準)型」または「クローズ(囲い込み)型」の組み合わせによって大別することができる(クローズド・インテグラル、クローズド・モジュラー、オープン・モジュラーの3類型)

4. 歴史的経緯により、日本企業が強みをもつのは、「インテグラル型」の製品アーキテクチャをもった製品(例えば乗用車)。これに対して、アメリカや中国に強みがあるのは、モジュラー型の製品(例えばSUV、PC)

なおこれらの議論は、「ものづくり経営学」の第1部 第1章と第2部 第1章や、

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「日本のもの造り哲学」の第4章、第5章を簡単にしたもののようだ。

日本のもの造り哲学日本のもの造り哲学
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藤本 隆宏

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個人的には、改めて話を聞いた2のポイント(生産性=設計情報の媒体への転写効率)が特に面白かった。設計情報が媒体に転写されていない工程は全くのムダだから、全行程のなかで設計情報の媒体への転写が行われる工程の比率をいかに高めるかが重要、というのは大きな示唆がある。TSP(トヨタ生産方式)をこの考え方でとらえるのも面白い。

一方で、個人的には2つの点が気になった。

まずこの議論は、設計情報というものは事前に完全に形成可能だということを前提にしていること。それはどの業界のどんなプロダクト、サービスにも適用できる(もしくはすべき)前提なのだろうか?

確かに自動車等のドミナントデザインが確立していて、プロダクトライフサイクルが比較的ゆったりとしており、プロダクトイノベーションが必ずしも頻繁には起こらない業界であれば、確かに理想的な設計情報を事前に完全に形成することは十分可能だろう。逆に、理想的な設計情報が事前に形成できなければ、当然プロセスに手戻りなどが発生するわけで、品質やコストの面で問題が生じ、競争力は著しく減じられるだろう。

一方で、例えばインターネットサービスのように、ドミナントデザインなどなく、プロダクトライフサイクルが短く、プロダクトイノベーションが常に発生しているような製品・サービスや業界を考えた場合、理想的な設計情報を事前に完全に形成することなどそもそも可能なのだろうか?また、そうすべきなのだろうか?もしかすると藤本教授の議論が特に有用なのは、プロダクトイノベーションがある程度確立し、プロセスイノベーションにイノベーションの軸足が移ったあとのフェーズについてなのだろうか?

もうひとつは、この議論をプロダクトではなく、サービスに適用することの有用性について。

サービスとは、製品とは異なり、提供者による生産と顧客による消費がほぼ同時に行われる。このサービスの特性からすれば、設計情報を媒体(サービスの場合は顧客そのもの)に転写する際に、提供者が完全にはコントロールできない顧客という媒体からのフィードバックがあり、転写→フィードバック→転写の繰り返しこそがサービスだといえる。

顧客が人間である以上、ある設計情報をある方法で転写すれば媒体にはこういう結果を生じせしめることができるという予見可能性が、その他の媒体(例えば、自動車であれば鉄、衣服であれば布、など)に比較して著しく低いことは確かだろう。その意味で、これはひとつめの疑問に戻るけど、理想的な設計情報の事前形成が実際問題としてどの程度可能なのだろうか?

ちなみに藤本教授のご主張は、「ものづくり」の考え方は、製品・サービス=設計情報を媒体に転写したもの、という図式からすれば、サービスにも十分適用可能だというもの。ここは食事会で突っ込んでみなければ、と心する。

続いてトヨタの品質問題について。

1. 根本的な原因は、製品設計をあまりに複雑にした結果、複雑性がトヨタの組織能力を超えてしまったことにある

2. この要因としては、(米国での金融危機までの需要拡大により)トヨタが生産量の拡大と製品の複雑化を同時に押し進めたことや、顧客の要求、法規制が厳しくなったことなどがある

3. また、長年に渡って成功しか知らない(特に本社の)トヨタ社員にみられる傲慢さも品質問題の一因だろう

4. ただし、現場の生産能力自体に深刻な問題は見られない。あくまで問題は製品設計であり、生産ではない

これらについては3月17日の日経新聞「経済教室」(マクダフィ教授との共同執筆記事)により詳細な議論が展開されている。このトヨタの品質問題こそが学生が期待していたテーマだったが、これにあまり時間を割いていただけなかったのはやや残念だった。事務局側の藤本教授との調整不足で、大きな反省材料になった。なかなか難しいね。

ただ、講演の内容もさることながら、日本発の「ものづくり」の概念を自らの言葉で堂々と情熱をもって学生に語りかける藤本先生の姿がものすごく印象的だった。もともとHBSでPh.Dを取られているだけに英語も非常にお上手。

この約2年間、世界中から集まった腕に覚えのある自信たっぷりの学生のなかで、意味ある主張を英語で展開する難しさをいやというほど痛感してきたから、一人の日本人として本当に勇気づけられた思いがした。

講演会のあと、藤本教授、マクダフィ教授を囲んでの食事会へ。

ちなみにこの二人、大学院博士課程時代からの友人で、「タカ」「ジョン・ポール」と呼び合う仲。やっぱりこういうよく知ったる組み合わせでイベントを企画するとやりやすいし面白い。

食事会では、「ものづくり」のサービス業への適用について質問してみた。

藤本教授のコメントは、確かに顧客というのは他の媒体に比較して、設計情報を転写することによる結果をコントロールしずらいという側面はあるものの、あるサービスを利用する顧客層の特性はある程度事前に把握可能なはずであり、転写結果の違いのばらつきはそれほど大きくないといえる、というようなものだった。

それから藤本教授の著作(「ものづくり経営学」第3部 第1章)を読み返してみると、サービスといっても媒体の有形性・無形性、それから耐久性・非耐久性(=減衰性、すなわち設計情報が転写されたのちにどの程度その情報を保持できるか)によって4つの類型が可能であり、製造業、サービス業という二元論というよりは、典型的な製造業と典型的なサービス業を両極にもつスペクトラムのなかで、いろんな形態がありうる、とされている。この類型からすれば、確かに珈琲男がもともと持っていた懸念は、特にサービス業らしいサービス業(例えば、旅館などの対面接客サービス)には当てはまる程度が高く、それはサービスの特性がより製造業に近づくにつれて薄まってくるのかも知れない。

この夕食会のために悠梧を預かってくれた友人宅に向かうため、食事会を途中で抜けさせてもらった。失礼する間際、藤本教授の著作へのサインをお願いしたところ、こんなメッセージを添えて下さった。


 サービスにも通用する
 
 開かれたものづくり
 
 よろしくおねがいします
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2010/03/23(火) | MBA | トラックバック(0) | コメント(5)

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