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iPhone 3GS 発売開始

留学開始直後にiPhoneユーザーになって以来、肌身離さず持ち歩くガジェットになった。ここフランスではローミング代が馬鹿にならないからプリペイド方式の安物携帯を使っているけど、車でPodcastを聴くのにiPhoneが大活躍中。

スティーブ・ジョブスが2007年1月のマックワールドでiPhoneを発表したとき、彼は全世界の携帯電話市場で「たった」1%を獲得できれば1000万台のiPhoneが売れるとして、2008年末までにこれを達成するとぶち上げた。Appleは実際にこれを数ヶ月前倒しで達成してしまう。

つい先日にはiPhone 3GSが発売になった。端末の性能も随分と向上したみたいだけど、このところのアプリケーションベンダーの参入ぶりがすごい。今年4月のAppleのニュースリリースによれば、App Storeには35,000ものアプリがあり、既にダウンロード数が10億にも達したのだそうだ。

OS3.0になって導入された新しい仕組みの一つにアプリ内課金(App-Purchase)があるが、これで更にアプリベンダーがiPhone向けのアプリを開発するインセンティブが高まったことだろう。携帯ゲーム端末としてDSやPSPと、電子ブックリーダーとしてAmazonのKindleやSONYの端末と勝負する先が面白い。

iphone2.jpg

まさにiPhoneは、クリティカルマスを越え、ネットワーク外部性が働く競争における勝ちパターンに入っているようだ。スマートフォンとしては後発のAppleがiPhoneを発売するにあたっては、随分と戦略を練り込んだことだろう。

ちなみにフランスでもiPhone 3GSが発売された。街ではこれを売り込む携帯ショップを頻繁に見かける。と、日本やアメリカとはやや違った風景にすぐ気づく。複数の携帯会社がiPhoneを売っているのだ。

あれ?Appleって国別に特定キャリアに独占販売をさせてるんじゃなかったっけ?と思ってたら、フランスでは競争評議会(日本の公正取引委員会に相当)が、Appleとフランステレコム系のOrangeとの国内独占販売契約を無効だと裁定を下した結果、全携帯キャリア(Orange/SFR/Bouygues Telecom)がiPhoneを販売するに至ったのだとか。
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2009/06/29(月) | MBA(INSEADにて) | トラックバック(0) | コメント(0)

ロング・グッドバイ

これまで一度も手に取ったことがなかったレイモンド・チャンドラー。中でも最高傑作ともいわれるこの本を村上春樹が訳したのを知り、ずっと読みたいと思っていた。

ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)
(2009/03/06)
レイモンド・チャンドラー

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徹夜で600ページ超を一気に読んでしまった。ハードボイルドなりミステリー小説を電車の暇つぶし程度に捉えがちだった自分の不明を恥じるほど面白かった。それから村上春樹のあとがきが50ページを越える随分と熱のこもったもので、チャンドラーに対する珈琲男の理解を随分と広げてくれた。

ハードボイルドといえば、映画007シリーズ。6代目ボンド役を務めるダニエル・クレイグの評価が随分と高いようだ。「カジノ・ロワイヤル」「慰めの報酬」の両方を観たが、冷徹さと激しい感情を持ち合わせた人間くさいボンドがいい。

ハードボイルドって、精神的・肉体的にタフで任務は冷徹に遂行するが心の芯には優しさを持ってって、だから当然の結果として女にモテる・・・、そんな探偵やスパイが活躍する話、くらいに認識していた。一般的なイメージもそれから遠くないだろう。

"If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive"(「強くなければ生きられない。優しくなければ生きていく資格がない。」)とは、チャンドラーが主人公の探偵、フィリップ・マーロウに語らせるあまりに有名な台詞だ。

が、どうもハードボイルド(小説)の本質、というものはそうではない、と筒井康隆が「筒井康隆の文藝時評」の中で主張しているのだそうだ。

http://d.hatena.ne.jp/yomoyomo/20050214/hardboiled

『ハードボイルドの主人公=非情と思われやすいが、そうでなく、非情なのは作者のパースペクティブなのだ。』なるほど。めちゃくちゃ面白い。

語り手=主人公=作者が、どんな状況でも感情や主観に流されることなく、その状況を、自分の感情を含めて客観視し続ける、そんな「パースペクティブ」こそがハードボイルド小説をハードボイルド小説たらしめる本質だ、ということだろう。

村上春樹も「ロング・グッドバイ」のあとがきで、やや観点は違うものの、この「パースペクティブ」を『フィリップ・マーロウという「視線」による世界の切り取られ方』という別の表現で解説している。

こう考えると、筒井康隆がいうところの「ハードボイルド」を、映画の世界で実現する、っていうのは随分と難しそうだ。
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2009/06/25(木) | MBA(INSEADにて) | トラックバック(0) | コメント(0)

ロゼを見直す

INSEADでの大きなテストが終わる。朝からみっちり3時間。このテストも含めて、INSEADとWhartonには随分と大きな違いがあるなと感じる。またそれは別の機会に。

昼過ぎに帰宅。解放感と天気に誘われて庭で昼食をとることにした。

ロゼ

「サントリー・サタデー・ウエイティング・バー AVANTI」のポッドキャストで田崎真也氏が、フランスの夏はロゼです、といっていたが、確かにフランスのあちこちで冷えたロゼを楽しむ人々をよく見かける。ということで、どれどれとロゼを買ってみる。カルフールで6ユーロ。これでもカルフールのロゼのコーナーでは随分と高い部類に入る。棚には2~3ユーロのロゼが溢れている。

キンキンに冷やしたロゼは確かに美味しい。ロゼっていうとなぜかやや赤や白に比べて低く見られがちだけど(何でなんだろう?)、いやいや旨いです。

ロゼ2
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2009/06/24(水) | MBA(INSEADにて) | トラックバック(0) | コメント(0)

一勝九敗

MBA留学にあたって、とうかMBA留学をそもそも目指すかどうかを考えていたとき、いわゆるあたまでっかちにはなりたくないな、と思っていた。あたまの中でただ理屈をこねるのは自分の性分に合わないと思っていた。もっとも、こねる理屈の程度によっては自分の頭のスペックがそもそもついていかないものだとこの1年間で痛感したが。

抽象化された理論の一つ一つをいちいち頭にたたきこむというよりは、せいぜい理論の枠組みをごく大まかに理解しておくことで、実務の世界で物事をある程度包括的に考えられるようにすること、より正しい判断を早くすること、大きな判断ミスをしないこと、くらいが期待できればいいと思っていた。

という当初の思いに関わらず、実際にMBAの世界ではやぱっり経営理論がそれこそ洪水のように押し寄せてくる。特にコア課目でびしばししごかれる1年目はそうだろう。知識の大海に浮き袋もなく投げ出されたような感覚。大小の波のなかで大きなうねりを探りたいと思いつつも、日々おぼれないことに精一杯になりがちで、塩辛い海水を飲み込んではむせてしまうことしばしば。

でも一年も経つ頃には多少潮目を読むことも覚え、特定の事柄や課目については方位磁石を手にシーカヤックを漕いでいるくらいの状態にはなる。そうすると今度は知識の海をカヤックで航海するのも面白くなって、結構あたまにロジックが溜まっていく・・・。もちろん実務へのアプリケーションは常に意識にあるけど、ともするとカヤックに乗っていることそのものをを楽しんでる自分に気づいたりもする。

自己診断によれば自分はそんなタイミングにいると思っている。と、そんな矢先に読んだのがこの本。

一勝九敗 (新潮文庫)一勝九敗 (新潮文庫)
(2006/03)
柳井 正

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ユニクロを年商1兆円に迫るグローバル企業に育て上げた柳井氏が繰り返すのが、理屈をこねる間があればとにかくやって早く失敗してだめならさっさとやめろ、というもの。どうせ10回に9回はうまくいかないもんだ、と。書いてあることにはもちろんいろんな理屈があるけど、むしろ実践してなんぼだという。まさにその通りだろう。むずむずする。

MBAもまさに折り返し地点だということを改めて実感する。最初の半分が実務から一歩身を引いて理論の世界に浸り、自分を客観視する時間だったとすれば、残りの半分は実務への復帰準備と自分の主観を再確立する時期だろう。
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2009/06/24(水) | MBA(INSEADにて) | トラックバック(0) | コメント(0)

チャン・キム教授によるブルーオーシャン戦略(ほぼ)個人講座(後編)

(前回はこちら

たまごっちプロジェクトの中間報告を静かに聞いて下さったキム教授は、せっかくの機会だからブルーオーシャン戦略をあなたがたに説明してあげようというと、紙にペンをがりがり走らせながら結局2時間近くマシンガンのように話し続けた。その説明は、終始ポーターの理論との対比によるものだった。

Structure Theory vs. Endogenous Theory
ポーターは産業構造が戦略を決めるとする構造主義者(structuralist)。それとは逆に、自分の立場は、内生的成長理論(endogenous growth theory)を重視し、むしろ戦略が産業構造に変化をもたらすとする再構築主義者である(reconstructionist)。フォードがT型フォードによってそれまで主流だった馬車を駆逐して新たな自動車産業を創り出してしまったという事象は、構造主義では説明できないでしょ、と。

Value maximization vs. Value creation/Innovation
構造主義者の発想は、所与の産業構造(とその構造が示す魅力度)において企業がいかに自社製品・サービスの価値を最大化するかにある(value maximization)。そうではなく、自分の発想はいかに価値を創り出すかにある(value creation/innovation)。

Within the boundary vs. Across the boundary
構造主義者が一つの産業の境界の中に閉じて戦略を考えるのに対して、自分は複数の産業をまたいで戦略を考える。

Profit vs. Growth
構造主義者は現在の環境における利益を求める。自分はむしろ次の成長を追う。

ここまでかちっと二つの理論を対比させたうえで、キム教授は、ポーターの理論と自分の理論は、対立の関係にあるのではなく、むしろ補完関係にあると繰り返し強調する。彼の説明を聞きながら、珈琲男も同じように考えていた。どちらの理論も戦略論として重要であり、二つを組み合わせて戦略を思考する必要がある、と。

要するに、彼の用語を使えば、レッドオーシャンにおける競争も重要であり、そこではポーターの理論が重要な示唆を与えてくれる。ただ、それだけでは戦略の半分が考慮されたに過ぎず、残りの半分はブルーオーシャンを創造するにあたって自分の理論が役に立つ、ということなのだろう。

(キム教授の説明を受けた後で「ブルーオーシャン戦略」を改めて読み返すと、確かにこれらの説明もきちんと書いてあるのだが、この本は理論書というよりもブルーオーシャンを創造するための手順を丁寧に説明するハウツー本に近いノリで書かれているために、さらっと目を通しただけでは理論的な背景がよく分からなかった。もっともこの本がこれだけ売れた理由もそこもあるのだろうが。)

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
(2005/06/21)
W・チャン・キムレネ・モボルニュ

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次第に熱を帯びてくるキム教授の説明を聞きながら、戦略論の世界でここ数十年来誰もなしえなかった、ポーターと同格の存在として認識されたいという彼の野心を感じないではいられなかった。

ただ、彼は同時に非常にリアリストでもあるようだ。曰く、一つの理論が広く認められるには、非常に長い時間がかかる、と。ポーターは僅か30代の半ばにして戦略論の世界で花々しいデビューを飾り、その後一貫して「競争」に着目して自らの理論を強化していった。自分が世間に注目されたのはタイミングとしては遅すぎた、とキム教授はいう。ただ、「ブルーオーシャン戦略」の共同著者であるレネ・モボルニュがポーターと並び賞される日が来るだろう、と。

どこか悟ったところがあるようなこの韓国生まれの教授に対して、自分のなかにふつふつと尊敬の念がわいてくるのを感じた何とも贅沢な2時間だった。日本企業の幹部がこぞって彼のコンサルティングを受けているそうだが、その説明の明快さと人柄に触れ、ああなるほどと納得。

明快な説明、といえば、彼が今回の(ほぼ)個人レッスンで語ってくれた高校生でも理解できるという「戦略」の定義はこうだ。

value: 企業は「価値」を創造することで
profit: 「利益」を生み出すのが使命であり、
people:それを実現するのは結局「人」である。

この3つをどうやってうまく結合させるのかというのが、戦略である。なるほど。人を忘れちゃあいかんよ、実際のところ戦略を実行するのは人だからね、と何度も繰り返されていた。

2時間のレッスンの後、たまごっちチームで記念撮影をパチリ。

ブルーオーシャン1
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2009/06/18(木) | MBA(INSEADにて) | トラックバック(0) | コメント(0)

チャン・キム教授によるブルーオーシャン戦略(ほぼ)個人講座(中編)

(前回はこちら

ビジネススクールで一般的に教えられている課目はいろいろあるが、それが一人の学者に代表されているという意味では、ストラテジー(戦略論)は特別だ。いうまでもなく、戦略論を代表するのは、マイケル・E・ポーター

ポーター

彼が1980年代提唱し始めた理論が戦略論の基礎を形成し、世界中のビジネススクールのコア課目として教えられている。ファイブフォース分析、バリューチェーン、産業クラスター等々。Whartonでは、一年目のQ2(Competitive Strategy)とQ4(Global Strategy)に分けてケース&レクチャーでこれらを学習する。

彼は、産業組織論を応用することで戦略論を確立した。産業組織論(Industrial Organization、IO)とは、産業を対象とするミクロ経済学の応用分野。最も効率的な資源分配が実現する完全競争を理想型として、それが実現していないケースにおいてより望ましい資源分配の実現方法を考察する。ここでは、不完全競争の状態は、本来的に排除されるべきものとして取り扱われる。

ポーターは産業組織論を逆手にとって、競争が少なく資源配分に歪みがあるほど(不完全競争に近いほど)企業にとっては収益を上げやすく、競争戦略上望ましい状態であると考えた。その着眼点から理論を展開し、業界の構造と競争の要因(=ファイブフォース)が産業の魅力度を決定し、それに応じて企業は戦略を立案すべきと考えた。

業界構造を所与のものとして、自社の強み・弱みに合わせた「戦略ポジション」を築くことが重要であるとポーターは説く。「戦略ポジション」とは、トレードオフ(二者択一)なしには成立しない戦略上のポジション。分かりやすい例がポーターが基本戦略として挙げたうちの「低コスト」vs「差別化」だが(もう一つは「集中」)、ポーターはトレードオフの分類として、①製品種類ベース(どんな製品・サービスを提供するか)の選択、②ニーズベース(どの顧客グループのニーズを満たすか)の選択、③アクセスベース(顧客にアクセスするためにどんな活動システムを実現するか)の選択の3つを挙げている。

そしてポーターは、戦略とは、独自の価値あるポジションを創り出すことだと結論づける。要するに、トレードオフを突き詰め、他社とは違うことをせいと。

もっとも、この考え方に対抗して、いや、企業には人材、ブランド、技術といった経営資源や組織能力があり、それが競争優位の源泉だと主張する経営学者もいる。この立場を取る学者は、戦略ポジションよりも(例えばトヨタのような)組織能力は模倣されにくいという点で競争戦略上より重要だと説く。

ポーターはこれに対して、いやいやそれらの組織能力は結局のところオペレーション効率を上げているに過ぎず、経営ツールやテクニックによって十分模倣されうるものであり、生産性のフロンティアを突き詰めていけば、結局どの戦略ポジションを取るかという問題に行き着く、と主張する。

生産性のフロンティア

ポーターのアカデミックな世界における重要性の変遷は知らないが、現時点においても、彼が戦略論の世界で特別な地位を占めていることはどうも間違いないようだ。少なくとも、WhartonとINSEADで戦略論のクラスを3つ受講した経験からはっきりとそう感じている。

(前置きが相当長くなったが)「ブルーオーシャン戦略」をさらさらっと読んだとき、正直、この理論もポーターに支配された世界の中の一理論なのだろうと思った。コストと差別化を同時に実現するといっても、生産性のフロンティアを上に押しやろうという話なのかと感じたし、何より、「競争のないブルーオーシャンに漕ぎ出せ」というのと、「他社と違うことをしろ」といっているポーターの主張との間に、大した違いがないように思えた。

だが、キム教授の2時間の熱い語りで、どうも話はそんなに単純ではないようだということに気づき始めた。詳しくは後編で(最高に引っ張るエントリーになってるな)。
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2009/06/16(火) | MBA(INSEADにて) | トラックバック(0) | コメント(0)

チャン・キム教授によるブルーオーシャン戦略(ほぼ)個人講座(前編)

ブルーオーシャン戦略を実際のケースに当てはめて理解を深めるべく、Wharton/INSEADの混成チームである事例を研究している。スペインからのINSEAD生の強硬論により、その事例が「たまごっち」になったことについては今更何もいうまい。ペーパーはもう実質的に書き上がっているし、何より理解したいのはたまごっちではなくブルーオーシャン戦略だから。

先週、研究の中間報告ということで、ブルーオーシャン戦略の提唱者、チャン・キム(W. Chan Kim)教授との面談の機会に恵まれた。

キム

何でもINSEADにはブルーオーシャン戦略専門の研究所があるというので、この学校におけるブルーオーシャン戦略の存在感をいやでも感じる。さらにINSEADのキャンパスとは大通りを挟んだ向かいにあるその建物は、第二次大戦後NATOの総司令部として使われていた元宮殿なのだとか。フォンテーヌブローには実際にいろんな顔があるが、歴史的に政(まつりごと)の街であったことは間違いない。

建物の中は、すっかり近代的に改装されている。廊下には、世界41カ国に翻訳されているとされる教本がずらり。

ブルーオーシャン2

指定された小部屋でキム教授を待つことしばし。この学校でも別格の存在なのだろう(宮殿に設けられた研究所を取り仕切っているのだから実際にそうなんだろう)、INSEAD生が心なしかそわそわしている。グルとの短い面談を許された信者のようだといっては言葉に過ぎるか。結構なりきりやすい珈琲男も、もちろん入信したての信者の心持ちで待つ。

ふらっとキム教授が部屋に入ってこられる。一瞬メンバーに緊張が走る。想像していたよりもずっと小柄で、物静かで、東洋の穏やかな僧侶のような第一印象。これまでの研究の報告を静かに聞かれ、こちらからの質問には丁寧に答えて下さる。

こちらの準備にはある程度満足してもらったのだろう(希望的観測)。折角の機会だからと、たまごっちの話題には早々に切りをつけ、ブルーオーシャン戦略の何たるかについて、結局2時間余りも語って下さった。

その内容がめちゃくちゃ面白かったから、それは続編で。
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2009/06/16(火) | MBA(INSEADにて) | トラックバック(0) | コメント(0)

マーケティングと戦略の違い

ビジネスの現場では、そういえばマーケティングと戦略が随分とごっちゃに議論されることが多いな、というのが、今受講中のIndustry and Competitive Analysisの学びからの気付き。「なぜあの製品やサービスが他のものよりよく売れるのか」、といったことを考えるのはマーケティングの話か、戦略の範疇か?マーケティングと戦略を本質的に分ける要素は何か?

この講義で力点が置かれるのが、『時間軸』。つまりこの講義の定義では、戦略とは、「資本コストを上回るリターンを『長期的に』得る仕組み」。今の課題を今解決するにはどういう手立てを取ればいいのか、ということではなく、あくまで時間軸は『長期』。例えば5年とか10年とかいった時間の厚みにおける課題の発見と解決。

だから戦略では、どの戦略的ポジションニングを取るか、模倣されにくい競争優位性をどう築いてそれを守るか、それはどの期間どの程度有効であり続けるかといった、長期の視点からの課題を扱う。これに対してはマーケティングでは、例えば今度出す新製品をどうやればより多く売ることができるかといった、相対的にずっと短期的な視点からのアプローチが取られる。

ということで、「なぜあの製品やサービスが他のものよりよく売れるのか」は、時間軸によってそれぞれマーケティングからも戦略からもそれぞれの視点で考えることができる、ということ。

ややアカデミックな世界での仕切りの話だし、現場ではまさに今目の前にある課題解決に追われがちではあるけど、この講座を通じて、長期の視点の重要性をしみじみと感じているところではある。
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2009/06/08(月) | MBA(INSEADにて) | トラックバック(0) | コメント(0)

Industry and Competitive Analysis

INSEADで履修中の「Industry and Competitive Analysis」。INSEADでのも随分と評判の講座だと聞いていた。実際、期待以上のクラスで非常に満足している。定期的に課されるオンラインでの小テストも随分と骨があり、開始した時間も確かに遅かったが、教科書やクラスノートと格闘しつつ、テストを終えたら朝の3時を過ぎていた。まあ、白ワインを片手にやってたのがいけなかったか。

テストをやりながら振り返ってみたが、このクラスでは随分と学びが多い。多分、その要因はこんなところか。

1. クラスの内容&教授の質の高さ
「戦略=資本コストを上回るリターンを『長期にわたって』生み出す仕組み」としたうえで、戦略ポジショニングとリソース・ベーストの両方の観点をうまく組み合わせた戦略論が展開される。ミクロ経済学の考え方をベースにしていて、非常にソリッドな内容。戦略論にありがちなふわふわしたところが極めて少ないのが心地よい。毎回のクラスで新しいタンジブルな学びがあったと実感できる。

担当してくれているKarel Cool教授も評判通りのいい先生だ。やや早口ながら、テンポのいいクラス展開で、90分があっという間に過ぎる。

学生側もこのクラスには強くコミットしているのがよく分かり、クラス全体の雰囲気も非常によい。

2. よく練られた運営方法
長年INSEADでこの講座を担当されているらしく、よく練られたプロセスでクラスが展開される。新しい概念を丁寧に解説した上で、次のクラスでケースに適用される、といった流れ。Whartonのコアの戦略系の課目に比較すると、講義の比重がかなり重い。ただ、内容が多岐にわたるにも関わらず詰め込みではなく、あくまで学生に理解させようという教授の熱意が強く感じられる。毎回のクラスの最初には前回の学びについての振り返りがあるから、尚更理解が進む。指定された教科書(Economics of Strategy by David Besanko)とハンドアウトの質も高く、クラスの内容の理解の助けになる。Whartonでいえば、まさしくFNCE 601(コーポレートファイナンスの基礎講座)と同じような条件が当てはまる。

3. 前提となる基礎知識がある
WhartonのQ2で戦略の基礎(five forces、core competencies、垂直・水平統合等)を、それからQ4でグローバル戦略を一通り学んだから、その知識を前提にすることで、クラスの内容がより理解できている。Q1で学んだミクロ経済の知識がないと、内容がちんぷんかんぷんだったのは間違いない。やっぱり前提知識があると新しい概念の理解が随分と早いことを改めて実感した。これこそMBAでコア課目を学ぶ理由なんだろう。2年生になったらWhartonでの戦略系のエレクティブを受講する予定だけど、それが今から尚更楽しみになってきた。

4. 学びをよく咀嚼する時間的・精神的余裕がある
実はこれが結構大きな要因だと思っている。交換留学生としてINSEADの3単位(=Whartonの2単位としてカウントされる)分しか受講していないということで、Whartonでの1年間に比較して圧倒的に負荷が少ない毎日だ(これはブログのエントリーからも明らかなとおり(笑))。お陰でごく普通に予習をやっていけるし、宿題にもある程度時間をかけられる。教科書だってよく理解したい部分は時間的な制約なしに読めるし。

そろそろこの講座の半分が終わろうとしている。これからはケースが中心になっていく予定。
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2009/05/22(金) | MBA(INSEADにて) | トラックバック(0) | コメント(0)

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