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チャン・キム教授によるブルーオーシャン戦略(ほぼ)個人講座(中編)

(前回はこちら

ビジネススクールで一般的に教えられている課目はいろいろあるが、それが一人の学者に代表されているという意味では、ストラテジー(戦略論)は特別だ。いうまでもなく、戦略論を代表するのは、マイケル・E・ポーター

ポーター

彼が1980年代提唱し始めた理論が戦略論の基礎を形成し、世界中のビジネススクールのコア課目として教えられている。ファイブフォース分析、バリューチェーン、産業クラスター等々。Whartonでは、一年目のQ2(Competitive Strategy)とQ4(Global Strategy)に分けてケース&レクチャーでこれらを学習する。

彼は、産業組織論を応用することで戦略論を確立した。産業組織論(Industrial Organization、IO)とは、産業を対象とするミクロ経済学の応用分野。最も効率的な資源分配が実現する完全競争を理想型として、それが実現していないケースにおいてより望ましい資源分配の実現方法を考察する。ここでは、不完全競争の状態は、本来的に排除されるべきものとして取り扱われる。

ポーターは産業組織論を逆手にとって、競争が少なく資源配分に歪みがあるほど(不完全競争に近いほど)企業にとっては収益を上げやすく、競争戦略上望ましい状態であると考えた。その着眼点から理論を展開し、業界の構造と競争の要因(=ファイブフォース)が産業の魅力度を決定し、それに応じて企業は戦略を立案すべきと考えた。

業界構造を所与のものとして、自社の強み・弱みに合わせた「戦略ポジション」を築くことが重要であるとポーターは説く。「戦略ポジション」とは、トレードオフ(二者択一)なしには成立しない戦略上のポジション。分かりやすい例がポーターが基本戦略として挙げたうちの「低コスト」vs「差別化」だが(もう一つは「集中」)、ポーターはトレードオフの分類として、①製品種類ベース(どんな製品・サービスを提供するか)の選択、②ニーズベース(どの顧客グループのニーズを満たすか)の選択、③アクセスベース(顧客にアクセスするためにどんな活動システムを実現するか)の選択の3つを挙げている。

そしてポーターは、戦略とは、独自の価値あるポジションを創り出すことだと結論づける。要するに、トレードオフを突き詰め、他社とは違うことをせいと。

もっとも、この考え方に対抗して、いや、企業には人材、ブランド、技術といった経営資源や組織能力があり、それが競争優位の源泉だと主張する経営学者もいる。この立場を取る学者は、戦略ポジションよりも(例えばトヨタのような)組織能力は模倣されにくいという点で競争戦略上より重要だと説く。

ポーターはこれに対して、いやいやそれらの組織能力は結局のところオペレーション効率を上げているに過ぎず、経営ツールやテクニックによって十分模倣されうるものであり、生産性のフロンティアを突き詰めていけば、結局どの戦略ポジションを取るかという問題に行き着く、と主張する。

生産性のフロンティア

ポーターのアカデミックな世界における重要性の変遷は知らないが、現時点においても、彼が戦略論の世界で特別な地位を占めていることはどうも間違いないようだ。少なくとも、WhartonとINSEADで戦略論のクラスを3つ受講した経験からはっきりとそう感じている。

(前置きが相当長くなったが)「ブルーオーシャン戦略」をさらさらっと読んだとき、正直、この理論もポーターに支配された世界の中の一理論なのだろうと思った。コストと差別化を同時に実現するといっても、生産性のフロンティアを上に押しやろうという話なのかと感じたし、何より、「競争のないブルーオーシャンに漕ぎ出せ」というのと、「他社と違うことをしろ」といっているポーターの主張との間に、大した違いがないように思えた。

だが、キム教授の2時間の熱い語りで、どうも話はそんなに単純ではないようだということに気づき始めた。詳しくは後編で(最高に引っ張るエントリーになってるな)。
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2009/06/16(火) | MBA(INSEADにて) | トラックバック(0) | コメント(0)

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