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チャン・キム教授によるブルーオーシャン戦略(ほぼ)個人講座(後編)

(前回はこちら

たまごっちプロジェクトの中間報告を静かに聞いて下さったキム教授は、せっかくの機会だからブルーオーシャン戦略をあなたがたに説明してあげようというと、紙にペンをがりがり走らせながら結局2時間近くマシンガンのように話し続けた。その説明は、終始ポーターの理論との対比によるものだった。

Structure Theory vs. Endogenous Theory
ポーターは産業構造が戦略を決めるとする構造主義者(structuralist)。それとは逆に、自分の立場は、内生的成長理論(endogenous growth theory)を重視し、むしろ戦略が産業構造に変化をもたらすとする再構築主義者である(reconstructionist)。フォードがT型フォードによってそれまで主流だった馬車を駆逐して新たな自動車産業を創り出してしまったという事象は、構造主義では説明できないでしょ、と。

Value maximization vs. Value creation/Innovation
構造主義者の発想は、所与の産業構造(とその構造が示す魅力度)において企業がいかに自社製品・サービスの価値を最大化するかにある(value maximization)。そうではなく、自分の発想はいかに価値を創り出すかにある(value creation/innovation)。

Within the boundary vs. Across the boundary
構造主義者が一つの産業の境界の中に閉じて戦略を考えるのに対して、自分は複数の産業をまたいで戦略を考える。

Profit vs. Growth
構造主義者は現在の環境における利益を求める。自分はむしろ次の成長を追う。

ここまでかちっと二つの理論を対比させたうえで、キム教授は、ポーターの理論と自分の理論は、対立の関係にあるのではなく、むしろ補完関係にあると繰り返し強調する。彼の説明を聞きながら、珈琲男も同じように考えていた。どちらの理論も戦略論として重要であり、二つを組み合わせて戦略を思考する必要がある、と。

要するに、彼の用語を使えば、レッドオーシャンにおける競争も重要であり、そこではポーターの理論が重要な示唆を与えてくれる。ただ、それだけでは戦略の半分が考慮されたに過ぎず、残りの半分はブルーオーシャンを創造するにあたって自分の理論が役に立つ、ということなのだろう。

(キム教授の説明を受けた後で「ブルーオーシャン戦略」を改めて読み返すと、確かにこれらの説明もきちんと書いてあるのだが、この本は理論書というよりもブルーオーシャンを創造するための手順を丁寧に説明するハウツー本に近いノリで書かれているために、さらっと目を通しただけでは理論的な背景がよく分からなかった。もっともこの本がこれだけ売れた理由もそこもあるのだろうが。)

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
(2005/06/21)
W・チャン・キムレネ・モボルニュ

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次第に熱を帯びてくるキム教授の説明を聞きながら、戦略論の世界でここ数十年来誰もなしえなかった、ポーターと同格の存在として認識されたいという彼の野心を感じないではいられなかった。

ただ、彼は同時に非常にリアリストでもあるようだ。曰く、一つの理論が広く認められるには、非常に長い時間がかかる、と。ポーターは僅か30代の半ばにして戦略論の世界で花々しいデビューを飾り、その後一貫して「競争」に着目して自らの理論を強化していった。自分が世間に注目されたのはタイミングとしては遅すぎた、とキム教授はいう。ただ、「ブルーオーシャン戦略」の共同著者であるレネ・モボルニュがポーターと並び賞される日が来るだろう、と。

どこか悟ったところがあるようなこの韓国生まれの教授に対して、自分のなかにふつふつと尊敬の念がわいてくるのを感じた何とも贅沢な2時間だった。日本企業の幹部がこぞって彼のコンサルティングを受けているそうだが、その説明の明快さと人柄に触れ、ああなるほどと納得。

明快な説明、といえば、彼が今回の(ほぼ)個人レッスンで語ってくれた高校生でも理解できるという「戦略」の定義はこうだ。

value: 企業は「価値」を創造することで
profit: 「利益」を生み出すのが使命であり、
people:それを実現するのは結局「人」である。

この3つをどうやってうまく結合させるのかというのが、戦略である。なるほど。人を忘れちゃあいかんよ、実際のところ戦略を実行するのは人だからね、と何度も繰り返されていた。

2時間のレッスンの後、たまごっちチームで記念撮影をパチリ。

ブルーオーシャン1
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2009/06/18(木) | MBA(INSEADにて) | トラックバック(0) | コメント(0)

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