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「カラ兄」、読後雑記

「カラマーゾフの兄弟」読了。東京外語大学学長の亀井郁夫氏による光文社の新訳、全5巻。

カラ兄

途中、アマゾンが第4、5巻を送ってくるのを待ってて中断したけど、だいたい1日1冊に近いペース。まさに、あ~夏休み~(by TUBE)だ。亀井氏が「何よりも読みやすさ」、「最後まで一気に読み切ることのできる」(「カラマーゾフの兄弟 5」訳者あとがき、P359、P360)ことにこだわっただけのことはある。

この作品を「人生で巡り会ったもっとも重要な本」3冊のうちの一つに挙げる村上春樹氏(ちなみにもう2冊は、「グレード・ギャツビー」と「ロング・グッドバイ」)が以前、この本を読み通した人を「カラマーゾフの兄弟読了クラブ」(略して「カラ兄読了クラブ」)なるものに入会するのを認めていたそうだが、まだそれが存在したなら有資格者になれたのに。いや、勝手に入ったことにしておこう。

「カラ兄」か(カラキョーと読む)。いいな、軽くて。「世界文学の最高峰」ともいわれるこの作品には敬意を払いつつ(実際こんなの絶対書けないよね)、この「カラ兄」には「ドストエフスキー」「カラマーゾフの兄弟」っていうだけで躊躇してしまう向きを一気に引き戻してしまうだけの作用があると思う。だから、「カラ兄」には大いに賛成。

筋書きは結構単純。一人の女(グルーシェニカ)を巡る、父(ヒョードル・カラマーゾフ)と3兄弟の長男(ミーチャ)の醜い争い。その父がある晩、何者かに殺害される。殺したのは長男か、それとも他に真犯人がいるのか・・・。時間軸も単純で、ヒョードル殺害に至る3日間(第1~3巻)とその数ヶ月後のミーチャを被告とする裁判(第4巻)がほぼ全て。ミステリー小説としても十分通用するし(といってひねったトリックがあるわけではないけど)、裁判ものとしてもものすごいクオリティ(特に被告側弁護士の論述が見事)。

時代背景は19世紀後半、農奴が(制度的には)解放されたばかりの革命前夜の帝政ロシア。

少しややこしいのが、登場人物の多さ。カラマーゾフの次男イワンに三男のアリョーシャ、ヒョードルの私生児ともいわれるスメルジャコフ、ミーチャの元婚約者カテリーナ、、それ以外にももうたっぷりと。これまでの翻訳における読みづらさには、これらの登場人物がロシアにおける様々な愛称・呼称(「グルーシェニカ」は「アグラフェーナ」の愛称)で呼ばれていたのを結構忠実に訳してたことにもあるようだけど、亀井氏の訳ではこれを大胆に単純化したのだそうだ。

もうひとつややこしいのは、ひとつひとつの台詞の長さ。有名な「大審問官」のくだりはイワンが自身の無神論を披露する台詞だけど、これが20ページを越えて延々続く。ただ、亀井氏が「より多く気をくばったのは、リズムである」(「カラマーゾフの兄弟 5」訳者あとがき、P361)といっているとおり、理解できているかに必要以上にこだわらなければ、結構スムースに読めた。

でもやっぱり難しいのはテーマ父殺し神の存在・不存在、それからロシアの目指すべき姿、くらいは何となく読み取れるとして(そのテーマをこの本を一読しただけで十分に理解できるかは別だけど)、読み方によってはもっといろいろなテーマを見つけられそう。例えば人間の本性とか。それこそこの本が長く世界で読まれている理由なんだろうけど。

そうしょっちゅう開けるような軽い本ではないけど、これから何回か読み返してみたい本に加えよう。ちなみに珈琲男がつい何度も読み直してしまうのはこれ。

マシアス・ギリの失脚 (新潮文庫)マシアス・ギリの失脚 (新潮文庫)
(1996/05)
池澤 夏樹

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2009/08/09(日) | 生活 | トラックバック(0) | コメント(0)

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