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解任された元メリルCEOからの学び

MBA2年目第一弾のLeadership Lecture。今年の初っぱなは大物ゲストが相次いて登場する予定。まず金融危機の最中にメリルリンチの会長兼CEOを務めたJohn Thain氏。来週はモルガンスタンレーの現CEO、John J. Mack氏。その次がルノー&日産のCEO、カルロス・ゴーン氏。J-Trekにも参加してくれたレバノン系アメリカ人学生の親類なのだとか。何かと大した学生がいるもんだ。

で、元メリルCEOのJohn Thain氏。

HBS卒業後、GSでキャリアを積んでCOOに。NY証券取引所のCEOに転じた後、金融危機の前夜の2007年末にメリルのCEOに。2008年の危機でメリルがバンカメに買収されてバンカメの証券部門などの責任者になり、2009年1月に退任。

バンカメによるメリル買収ディールでは事実上メリルを救ったと賞賛された(相当な高値で交渉をまとめてメリル株主にとってのヒーローにもなった)一方、バンカメによる買収が完了する直前に、通常より前倒しで自らを含めた幹部らに巨額のボーナスを支払ったことが強く非難された(今回の講演でThain氏は、ボーナスの支払いはバンカメとのディール交渉時点での合意事項であり、その証拠書もあると反論している)。さらにバンカメの買収費用には公的資金が使われたことから、事実上税金がメリル幹部のボーナスに流用されたのではないかとの批判もある。メリルのCEOに就任した際、自らのオフィスを巨額を投じて改修したことも後からぼろくそにいわれた。要するに、強欲の固まりのような男としてのイメージする人も少なくないわけだ。

と、こんなホットな人物だけに、会場は超満員。20分前に並んで何とか最前席近くを確保した。ウォートンのファイナンス部門の教授も3人登壇。看板教授のシーゲル(写真左のヨーダみたいなじいさん)が司会を務める。

メリルCEO

オフィスの改装については、「あれは結果として間違いだった。その過ちを認めてそれを正すため、全ての改装費用を自費で返却した」に続けて「今から思えば家具はIKEAで揃えればよかった」で大爆笑になって話がうやむやに。多分もう何回か繰り返してるジョークなんだろうけど、話術はさすが。

「あなたは自分の心のうちで、この国が企業救済で5兆ドルを失ったことに、後悔や自責の念を感じたことはあるか?」なんていうきわどい質問には、「今回はWall Streetの問題であるこは認めるが、それだけの問題でもない、ブラブラブラ。でもやっぱりWall Streetは責められてしかるべきだし、ブラブラブラ。Wall Streetは、collectivelyに責任があると思う」、で、個人的な責任については触れず。司法リスクを考えれば当然か。

心に残ったのは、risk managementと報酬スキームについて。Thain氏曰く、

●(他の投資銀行同様、)メリルでの損失はそのほとんどが不動産部門のものだった。他部門が稼いできた利益は不動産部門の損失で吹き飛んだ
● ずっとパートナーシップ制でやってきたGSは、伝統的に他の投資銀行よりもrisk managementがしっかりしているといえる。これは人の金ではなく自分の金がリスクに晒されるがゆえに、risk managementをよりきっちりと行う動機付けがなされるからだろう
企業文化も重要だ。GSは今では株式会社化しているものの、risk managementを重視するという文化がより強く残っていると思う。それが破綻したリーマンやベアスターンズとの違いだともいえる
● 巨万の利益をもたらすtraderと、巨額の損失を防ぐrisk managerは本来同等に報いられるべきだ。実際にそのような報酬スキームを取り入れるのは容易ではない?いやいや、それを実現するのがリーダーシップだろう(ここはさすがにHBSの卒業生らしい?)
● 実際に全ての会社をパートナー制に戻すことはできないが、パートナー制の効果をもたらすようなスキームはあり得る。例えば、企業幹部には自社株式だけを報酬として与え、かつそれを長期保有することを義務づけるというものだ

今回の経済危機での自らの経験を通じて、巨大企業、特にLarge Complex Financial Institutions (LCFIs) が同じ過ちを繰り返さないために彼が正しいと信じるにいたった考え方なんだろう。所有と経営の分離の原則が徹底されているアメリカだからこその議論だろうから、今の日本にそのまま適用できないとは思うけど。

もう一つ印象的だったのは、彼の堂々とした話しぶり。世間からたたかれて名声が貶められていてもこうして公衆の面前に立ち、自らの学びを若者に伝えようとするその姿が心に刻まれた。
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2009/09/26(土) | MBA | トラックバック(0) | コメント(0)

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