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尊敬すべき上司

ロイヤーズマガジンに掲載された、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の池永朝昭弁護士に関する記事

2005年の冬に突如として法務部への異動を打診され、まあそれも経験として面白そうかと受け入れる返事をしてから数日後のこと。私が当時かれこれ5年近くお世話になっていた直属のI部長が突如として私を連れ出したのが、この池永弁護士とのランチだった。

池永弁護士は当時ドイツ証券のジェネラルカウンセル(≒法務部長)。I部長がアメリカで仕事をされていたときからの付き合いだという。

法務に異動後は渉外弁護士を中心に何人もの弁護士の先生方と仕事をさせていただいたが、思い返せば、池永弁護士とのランチは、弁護士といわれる人と仕事上ではじめて接する機会だった。ランチの席上では、池永弁護士のアメリカでの留学時代のこと、留学後のインハウスロイヤー(企業内弁護士)としての第一線でのご活躍などを伺い、一ヶ月後に控えた法務での仕事に対して、単なる契約書のドラフトや係争案件に関する事務手続きを超えたイメージとして焼き付いた。

ランチも最後に近づいたとき、I部長が席を外された際に、若気の至りで、

「企業法務とは要するに何をするところだと理解すればよろしいのでしょうか?」

などとぶしつけな質問をした際、先生は、しばらく沈黙されたのち、

「組織のレピュテーションを守ることでしょうね」

とお答えになった。

その際は正直その言葉の意味が理解できず、また実際に法務部に着任してからも長い間だその意味は分からずじまいだった。

しかし3年を超えて法務の仕事をするなかで、法務の仕事とは結局、会社の意思決定を全てのステークホルダーに対して説明可能な状態にするための支援を提供するものであり、意思決定におけるアラカウンタビリティを常に担保することができれば、仮に何が起ころうとも、組織のレピュテーションをギリギリのところで守ることができる、と自分なりに理解するようになった。

今から振り返っても、(日本企業の)法務担当者は多かれ少なかれ、究極的には何を自らの職務とすべきかについて、結構悩むことがあるかと思う。保守的すぎると事業部に好かれないことが多いし、何年も経験を積まないと、弁護士のような専門性をもって社内顧客にサービスを提供することができないからだ。自分が提供している仕事の価値に自信が持てなければ、事業部側に対して無理に迎合してしまうか、又は高圧的な態度を取ってしまうかのどちらかの落とし穴に落ちてしまいそうになることもある。

私の場合は、「組織のレピュテーションを守ること」の意味合いを考え続けることで「意思決定におけるアカウンタビリティを担保すること」という自分なりの仕事上の意義を理解したのちは、仕事ががぜん面白くなった。

そして自分にとっての法務部での3年の実務からの最大のテイクは、法律知識でも契約書のドラフトテクニックでも弁護士との付き合いの勘所でも裁判上の戦略でもなく、経営者の視点に立ったときに、どんなステークホルダに対してどのような手続きでどの程度のアカウンタビリティを確保することが求められるのかという、コーポレートガバナンスにおける経営者の目線だったように思う(そんなスタンスで法務部での仕事をしていた自分がロースクールではなくMBAを志向したのは今から考えても自然なことだった)。それに付け加えるとすると、危機管理のセンスかな(法務部では本当に毎日いろんなトラブルを目にするものだ)。

今から振り返れば、I部長は、新しい仕事を部下に与えるにあたり、私の性格や仕事に対するスタンスを見極めたうえで、業界の第一線で活躍される方にまずは会わせてやろうと、あの山王パークタワーでのランチをセットして下さったのではないか。

理想的な上司には、コーチ、メンター、スポンサーの3つの種類があるという。

仕事の手ほどきをしてくれるコーチ、意識を常に高いところに保ってくれるメンター、これはと思う人材を組織のなかで引き上げてくれるスポンサー。

これまで何度もそんな上司に恵まれてきたことに感謝してきたが、この池永弁護士の記事をみて、改めてI部長への感謝の思いがこみ上げてきた。

それと同時に、もうそろそろせめてコーチやメンターとしての役割を担わなければと強く思う自分がいる。
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2010/05/03(月) | 雑感 | トラックバック(0) | コメント(0)

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